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落語にはくすぐりがある。噺の中の軽妙なセリフで、笑いを誘うことからくすぐりと言う。高座で思いつくこともあれば、稽古の最中に出来たものもある。傑作が『不動坊』の中で「四十九日も過ぎぬのに、嫁入りするとはうらめしい」というセリフを、文蔵師匠が稽古のとき「、、、嫁入りするとはうらやましい」と言ってしまい、これがくすぐりとなり、今では皆が使っている。
最近、他の噺のくすぐりを乱用する傾向がある。先日も寄席で某前座が『たらちね』を演っていた。大家さんが店子の八五郎の家に嫁さんを連れてくる。用事があるからと大家は嫁の名前も告げずに帰ってしまう。そこで八五郎が「大家さん待ってください。大家さ~ん!」と叫ぶのだが、この前座は「大家さ~ん。大家、ドロボ-!」と演った。この「大家、ドロボ-!」は『花色木綿』という泥棒の噺のクスグリだ。彼が高座を下りてから「このあと『花色木綿』が出るとまずいよ」とたしなめると、「○○師匠に教わった通り演っています」という返答。「たとえそのように教わっても、教える方も間違えることがあるよ。それにドロボ-は『たらちね』の内容にまったく関係なく、さほど受けないだろう」と言っておいた。笑いに貪欲なのはいいが、ル-ル違反は禁物だ。
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